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川口市 税理士のプロ

Te破綻に対する処理は、北海道東北開発公庫、北海道沖縄開発庁だけで実現するものではない。 国家プロジェクトとして、国の予算や財投資金の活用の下で継続されてきた事業であり、その処理には、政府全体として取り組まなければならない。
しかし、現実には多くの省庁が関わりを持つなかで、縦割り行政による責任転嫁が続き、負の資産としての病巣を深めてきたのが実態である。 金融と財政のもたれ合い構図を生み出してきた不透明な政策決定プロセスの一局面である。

Teプロジェクトは、財政によるインフラ整備に財投の出口に位置する北海道東北開発公庫と民間金融機関からの融資を基本として、略省庁体制で実施された国家主導による巨大工業地域開発である。 Teは高度成長末期の70年代前半に開発がスタートしたものの、石油危機を契機に企業誘致が頓挫し、事業のための借入金だけが肥大化する状況が、20年近くも続いているプロジェクトである。
そのプロジェクトが、追加融資の停止等から昨年、借入金の利払いも実施できない破綻状況に陥った。 このため、事業規模の縮小や土地の公的資金による買い上げなどの方策が提示されてきた。
Teが破綻状況に陥った原因は、次の三点に要約できる。 第一は、時代変化への対応がまったくと言っていいほど行われなかったことである。
Teに関しても、過去企業立地推進に向けた数々の計画見直しが行わ国内最大の重化学工業基地を目指し破綻した、Teプロジエクトそして、時代変化を無視した重厚長大・装置型企業誘致への固執、国の無責任体質を維持し続けてこられた理由として、最後に財投の存在があげられる。 Teが時代変化や環境変化に対し目をつぶることを、財投は豊富な資金量を背景に許し続ける結果をもたらしている。
加えて、国家的プロジェクトであることを担保とした金融機関による利払い費の追加融資も、事業の継続を可能にする仕組みとして生き続けてきた。 その結果、Te開発株式会社の財務運営として、毎年度4億円程度の収入で、2億円の利払いを続けることが可能となったのである。

現在、Teプロジェクトが抱える1800億円の半分以上が金利負担によって膨れ上がったものである。 財投による負の資産形成の問題の根底には、民間側の過度な官へのリスク転嫁が存在することも忘れてはならない。
金融改革は、国家プロジェクトであることを偏重した官民を通じた資金供給に、厳しい見直しを迫り官の事業を再生するスキーム法の適用を考えることが課題となる。 会社更生法は、企業体としての解体を目指す破産法と異なり、更生開始をもって債務の棚上げを行い、企業体の存続を図りつつ、管財人による事業活動を通した不要資産の処分や収益金による弁済を行う。
会社更生法的整理のメリットは、以下の点にある。 第一は、更生開始をもって債務の切り離し処理が実施され、責任論議が分離されること、第二に更生開始の要件である「更正の見込みなしとせず」を満たすため物的・人的な面も含め、将来に向けた新たな構図を具体的に描く責任が明確化すること、第三は、更正手続きに伴う「整理貸借対照表」の作成によって、正味資産と正味負債が明らかとなること、第四は、管財人等の存在によって従来の官と民、金融と財政のもたれ合いによってつくり出された第三セクターの体質そのものの問題点が明確化されること、などである。
こうしたプロジェクトの整理方法の確立は、財投が抱える負の資産への対処にも不可欠な課題となる。 財投だけでなく財政構造改革、金融改革を進めるにあたっても、金融と財政がもたれ合いながら形成している。
利払いの可否や事業の将来性、リスクなど金融的側面からのプロジェクト評価を重視する仕組みの始動である。 こうした仕組みの始動は、Teに限らず大阪のIsKsボリス、千葉県のTk鉄道、下関市のNk高速船事業など多くの第三セクター事業の破綻を顕在化させている。
そして、こうした仕組みの始動は、第三セクター事業だけに限らず、本四架橋など公団・事業団の事業の実態をも解き明かし始めている。 金融改革は、「官事業」への信頼の虚像を再評価し、事業に関する情報開示と実施主体の説明責任(アカウンタビリティ)を追求する。
第三セクターをはじめとして官の事業を再生あるいは清算するには、第一に破綻の原因がどこにあったのかを第三者機関等によって客観的に明確にし、金融と財政のもたれ合い構造を脱することである。 第二には、将来に向けた事業プログラムを提示し、金融的側面も含め評価する努力が必要である。
そこで求められるのは、単なる問題の先送りや棚上げではなく、事業性自体を判断する評価である。 とくに、株式会社方式の第三セクターでは、会社更生法で出来た負の資産の整理のスキームをつくることが求められる。
その際大切なことは、過去の問題点の明確化と事業性に対するアカウンタビリティを確保するスキームを用いることが必要である。 民間企業の破産法体系の見直し作業とともに、公的セクターの整理法体系を確立することが不可欠となる。
日本版PFI構想の落とし穴の責任・リスク関係が不明確なまま、負の資産と借金を積み上げる結果となる。 日本版PFIには、財政的制約が強まるなかで、景気対策として公共事業の財源を民間資金に置き換え先食いする発想が潜在的に存在する。

民間資金による公共事業予算の先食い的発想は、補助金型公共事業の体質を何ら変えず、これまでの社会資本整備の問題点を助長する危険性がある。 その助長を加速させる制度として財投が機能することがあってはならない。
以上、第三セクター等の事例を通じて、財投による金融と財政のもたれ合い構図を見てきた。 その財投を取り囲む環境は、大きく変化している。
第一は、戦後別年間にわたって続いた長期金利低下の構図の終馬である。 これまで長期金利の水準は、景気による波はあるものの経済成長に伴う資金量の拡大とともに恒常的に低下してきた。
この恒常的な低下構造の中で調達した資金を長期固定で運用する財投の環境変化さらに、政府が導入を進めている日本版PFI制度にも、これまで指摘してきた「官と民」、「金融と財政」そして財投の課題をみることができる。 日本版PFI制度は、民間資金の社会資本整備への誘導に重点をおいている。
このため、民間資金の誘導に向け、補助金や出資金、低利・無利子融資、保証など官側の支援策が数多く盛り込まれている。 財投を含めた既存の不透明な行政システム、金融と財政のもたれ合い、利益誘導型の政治などを前提にすると、民へのリスク転嫁が十分発揮されず、官民財投は、H内閣が取り組む財政構造改革や金融改革のなか、郵便貯金などの原資を資金運用部に全額預託する従来の構図から、市場原理をより多く取り込み、スリム化する仕組みに移行することが検討されている。
財投の将来像については、昨年、自民党行政改革推進本部と政府の資金運用審議会懇談会がそれぞれ案を提示している。 その内容の共通点は、@郵便貯金及び年金積立金の全額預託義務を廃止すること、A特殊法人等の財政投融資対象機関は、財政投融資特別会計(仮称・従来の資金運用部)が発行する財投債や各機関ごとに発行する財投機関債を通じて資金調達すること、などである。

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